撮:'02/05/19
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今にも 泣き出しそうな梅雨空の下で
4匹の仔猫たちに 出逢った
どれも 弱々しく ぐったりとしている …
やがて 大地を打つであろう はげしい雨を 恨んだ
母猫のすがたは見えず
正直 助からないだろう … と、思った
ならば せめてもと、ミルクを 買いに 走った
気焦り 再び 仔猫たちの元へ 戻ると
遠方から 駆けてきた 母猫が
シャー シャーと 牙を 剥いて 立ちはだかった
大丈夫だよ いじめたりしないよ …
母猫は 最大の緊張を 保ちながら
差し出した ミルクを ゆっくりと、喉に しめらせた
そして 仔猫たちも はじめて 口にするであろう
ぽつり ぽつりと、小雨まじりの ミルクを
不器用に そして 夢中で すすっていた
湿気が絡む 重い初夏の風
仔猫たちの無事を 願い 墓地を後にした
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