突然 ある紳士 が 声 を かけてきた

その 紳士とは 以前から

互いの 存在 を 認めながらも

どこか 遠慮がちに すれ違うだけで

これまでに 言葉 を 交わすことはなかった


紳士は 丁寧に 挨拶 を すると

サングラス 越しに ひとみ を 細めながら

近頃 起きている 彼らへの虐待 を 告げた


まさか まさか まさか …

今にも 心臓 が 張りさけそうになった


彼は なにも 言わなかった …

相変わらず 悪い鼻 を グスグスさせては

ただ その身 を ガタガラ と 震わしていた

2002/02
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