ようやく 訪れた ハルは

いつになく 厳しいものに なろうとしていた


異常気象…

狂った ちきゅうに 惑わされ

あせりだした サクラたち…


古木を 誇る 彼らの墓地にも

早々 と 浮き足立つ 花酔いの波 が

ちらほらと 陰 を 落としながら

白波 立ちはじめていた


花酔いの波 が ひしめくにつれ

彼らは 行き 場 を 失い

肩まで ふくれあがった ためいき さえも

細く ひそめねばならなかった

2002/03
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