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それは ひどい 皮膚病に 犯されていた
深い 傷に 両目は 塞がり
引き裂いた 肉片は ガザガザに 膨らんでいた
まだ 幼い 仔猫に すがる 胸はなく
仲間たちは ただ 遠巻きに ひとみ を 細めていた
だが 彼は 丹念に 仔猫 の 毛づくろい を していた
オマエも 病に 憑かれしまうよ …
そう 云いかけて ハタ と 口 を つぐんだ
彼は 少しでも 仔猫 の 苦しみ を 取り 除いてやろうと
その身 を 持って 受け止めているに ちがいない と 思った
時として 神さまは 残酷です
自ら与えた 彼ら の うつくしさに 嫉妬して
その うしくしさ を 奪ってゆくのです
だから 今日は 神さま を 恨みます
現実に 背 を 向ける 己自身 を 恨みます
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2002/03
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