2002/11
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秋暮れるころ 足踏みしていた チビ が
ようやく カラス森 の 塔裏に こし を 下ろした
ここの連中は 女ばかり 少々 お 調子者だが
誰もが そこそに 肩 を よせ合い 暖 を わかち合っていた
ある 時 こんなこと が あった
いつものように 彼女 と さ さ やかな 時 を 楽しんで いると
ご馳走 を 手にした 夫婦 が やって来た
それは 自分 が 運んでくる 給食なんて 比ではなく
連中は 身 を ひるがえして すっ飛んで 行った
けれど チビだけは いつまでも 手の中で コロコロ と 甘えていた
ふと 大切なことに 気付かせられた
彼女は 自分から 出てくることはなくても
自分から 背 を 向けたこと が あっただ ろうか …
「 もういいよ! もういいよ! わかった から … 」
あたしは そう 叫びた いく らいだった
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