クロの話






クロは 媚びることもなければ そっけなくもない
賢くて したたかで …  だからと、云って
ドカドカと、勝手に 土足で 踏み込んだり もしない
心地よい距離を 感じさせてくれる不思議な猫だった

クロは マイペースだ
まるで 彼の周りだけ 優雅な時が流れているようだ
だが その存在に 併せ秘めた 激しさと 威厳は
時に 神々しいとさ え 感じることもあった
外人墓地は 彼が守っている … 
そう 思わずにはいられない絶対的な力を 放っていた

クロは いつだって どんな 時だって
ウンチ くんと 一緒だった
ふたりは 親子と も 兄弟と も 似つかず
はた また 男同士の友情と、云うよりは
まるで 恋人同士のように 仲がよくって
ウンチ くんに ちょっかいを 出す者が居れば
それこそ ナイ トの如く 立ちはだかっていた
一緒に 居るだけで 自分を も守ってくれているような
強く 広く あったかい存在だった

彼は …  彼らは … いつだって ココに来れば 迎えてくれた
日がな一日を 共に過ごさせてくれた
ふたりは なぜ 寄り 添い なぜ ココにとどまるのか …
どんな過去を 秘め 何を 想 い求めるのか …
それは 知る由も 知る術もないが
ただ ずっと ずっと そばに ”居させて”欲しい …
と、思わせる猫たちだった
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