|
やけに 甘えていた あの日 …
ふとした 一瞬の表情の中に
歳月の流れが リアルに 浮かんで見えた
それは 哀しきかな 老いのすがた
そう あたしは なに も 知らない
彼らのこと を …
なんだか 無性に 口惜しくなって
意地悪なオレンジ色のお 陽さ まを
に らみつけた
やけに 甘えていた あの日 …
なんだか クロの背中が 哀しげに 見えた
一歩進んでは 振り 返り
また 一歩 その歩を 進めては 振り 返る
そうやって 何度となく 振り 返っては
随分と 長い時間を掛けて 離れて 行ったよねぇ …
クロ どこへ ゆくん?
声を 掛けると、アナタは 何か云いたげに
ひとみをゆらしていた
夢中で シャッターを 切った
そんな切なげな表情さ え うつくしかったから …
|