2002/03




ハルの微笑み急いて
サクラ花が ぽつり ぽつりと、花ひらく
うす紅色に 染まりし外人墓地に
クロのすがたは まだ 見えぬまま …

仲間に 追われ …
人並みに 追われ …
行き場のない ひとりぼっちの背中が 泣いていた

花宵の宴が 深まるころ
彼は 石蓋のある 狭いU字溝の中で
じっと、息を 潜めたまま
どんなに 呼んでも 応えてはくれなかった

クロさ え 居てくれたら …
苛立ちあつく 溜息ばかりが こぼれ落ちた
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