2002/04
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外人墓地から アカチビが …
チビが … 相棒のクロが …
大好きな仲間たちが 次々と、すがた を 消した
ひとり ぽつねんと、取り 残された ウンチ くん …
ひとり 孤独に 耐えながら
クロを 待ちつづけた ウンチ くん …
そのすがたは あまり に も 意地らしく
あまり に も 哀れで 切なかった
サクラ花 舞い散るころ
外人墓地に ウンチ くんのすがたはなかった
彼は とうとう ココ を 離れてしまったのだ
夕闇迫る ある日のこと
彼は 数日ぶりに 「墓地の台所」に すがた を 見せた
そこは 夕刻になると 満たされる空腹を
少しでも しのごうと、多くの仲間たちが
互いに 緊張を もって 集う場所であった
だが そこに 彼の居場所はなく
仲間たちの背で その身を 小さ く 縮めていた
「ウンチ … 帰ろう … 外人墓地に 帰ろう … 」
彼は ハッと、したように 夢中で 追い駆けてきた
その足取りは 驚くほど軽く
まるで 家路を目指す仔犬のように 競っていた
彼は もどりたいのだと、思った
大好きな仲間たちと 過ごした
にぎやかで うつくしい 外人墓地に …
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